曲がり角、その先にあるのは――。

迷。

　あぁ、だめ。

　気付けばいつも迷路の中。

　わからない。
　私はどこへ行きたいの。
　私は何をしたいの。

　誰に聞いているのかしら。
　そんなこと、自分自身すらわかっていないこと、他の誰にもわかるはずがないのに。

　ただね、寂しくなったんだ。
　独りで迷路の中にいるのが。
　手を繋いでくれる人が、
　一緒に歩いてくれる人が、
　欲しくなったんだ。
　ただ、それだけなんだ。

　出口のわからない迷路の中、
　独りでいるのはこわくて。
　入り口に戻ることすら叶わなくて。
　ただ、ただ、歩き続けるしかないのだけれど。

　もしかしたら、曲がり角を曲がればすぐに出口があるかもしれないのに。
　曲がり角の先が行き止まりだったら、
　曲がり角の先が更に複雑な分かれ道になっていたら。
　そんなことを思えば足が動かなくて。

　壁を壊すだとか、
　壁を乗り越えるだとか。
　そんなことをする勇気もなくて。


　今日も私は迷路の中。