そんなもの、私は見たくない。

夢。

　夢なんて、今まで滅多に見なかったのにね。
　最近、嫌な夢ばかり見る。

　バイトに受かる夢。
　バイトをしてる夢。
　何？
　現実でバイトが見付からないからって夢の中で見付かっても仕方がないじゃない。
　夢の中の私はとても頑張って働いたりしてて。
　起きると自己嫌悪。

　電車がね、どれだけ待っていても止まらない夢。
　この間乗り間違えちゃった日の夜に見たのだけれど。
　電車を、ずっと待っているの。
　けれど止まらない。
　どの電車も、私が待つ駅には止まらず、凄いスピードで通り過ぎていく。
　――そして、だれかにホームから突き落とされそうになるの。

　今日は起きて寝てを繰り返すたびに夢を見た。
　一つは片付けがどうこう言われる夢。
　しなきゃわかっているのにできなくて。
　大切なものをね、捨てられるの。壊されるの。

　もう一つは、変わっちゃう夢。
　「もう以前の自分とは違う」って。
　私はいらなくなったって。
　何よりも恐れている現実が、とうとう夢の中で起きちゃった。
　そっか。
　私はいらないのか。って。
　そんなことを思いながらぼんやりしているうちに目が覚めた。

　どれもこれも悪夢。
　欲しくても手に入れられないものを、
　怖くてしかたないものを、
　やらなくちゃいけないのにやれないことを、
　何よりも、ある意味“死”よりも怖いことを、
　嫌なことばかりを私に見せる。
　こんなの、見たくないのに。

　今日なんて、７時間くらいは寝て、その後も二度寝を何度も繰り返したのに、まだ眠い私がいる。
　いつもならしっかり目が覚めているはずなのに。
　夢のせいで寝た気がしない。
　まだ眠気がとれない。
　なんで夢の中でまで、こんな嫌なものを見なきゃいけないんだろう。


　せめて悪夢が現実とならないことを――。