笑顔の仮面、私はいつまでつけ続けるだろう。

一。

　一人になりたいなぁ。
　伯母たちの顔色窺って暮らすくらいなら一人の方が全然良いや。

　毎日毎日顔色窺って。
　聞こえて何か聞かれるのも嫌だから声押し殺して泣いて。
　落ちてて、暗い顔していることに説教されるのも嫌だから夕食も抜いて。
　私のこと、本当の気持ち、何も知らないのに。

　バイトも見つけないで？
　そりゃあ、今探すの放棄しちゃってますから決まるわけがありません。
　体調悪いばかり理由にして？
　昨日は江里さんと電話するまでの数時間、真面目に少しでも動いたら吐きそうなくらい気持ち悪かったんです。知らないでしょ？
　自分の好きな時に出かけて？学校行ったり行かなかったりして？
　そりゃあ、休みの日には好きな時に出かけますよ。私の時間ですもの。
　“木曜日は休む”と言いましたが、“木曜に基本的に担当している先生の授業”を休むんです。その先生じゃない人の授業なら別に気にせず出ますよ。
　もう来年学校行かないで実家に帰ったら？
　嫌です。学校がどうこうは関係なく、絶対に帰ったりなんかしません。
　本当に遠距離になって、こっちにいる友達とも会えなくなったら、絶対にメンタルは悪化します。
　――この家は出たいけれどね。

　けど、真面目に一年からしっかりバイトしてれば良かったって後悔するよね。
　そしたらある程度貯金も出来ていたかもしれないから、来年からは一人暮らしだって出来たかもしれないのに。

　“独り”は嫌いだよ？
　だから、独り暮らしで誰とも会わない生活になれば生きてけるか不安だよ？
　だけどさ。
　顔合わせたくないって思うようになっている人の家にお世話になってるのって、それ以上に苦痛だよね。
　だって、何をとっても“自分のものじゃない”んだもの。

　今更一人暮らしをしたいとかそういうこと、親に言えないよね。
　まぁ、言ったところで金銭的に無理なのはわかっているけれど。
　親にお金借りてここを出たところで、家賃とかの支払いの関係で借りたお金をいつ返せるかすらわかんないし。


　生きるって、本当、疲れるね。